質感のつどい

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保田道世さんを知っていますか?

"You may not have heard of Michiyo Yasuda, but you know her work." という気になるタイトルの記事がBBC newsbeatで先月12日(2016年10月12日)に大きく報じられました。
http://www.bbc.co.uk/newsbeat/article/37629894
保田さんが10月5日に亡くなったことを伝えると共に、彼女の仕事を偲ぶ内容でした。保田道世さんはスタジオジブリが生み出した数多くの名作の色彩設計を手掛けてきた女性です。BBC以外にも世界をこのニュースが駆け巡っています。kotaku.comでは、保田さんが手がけたさまざまな「色」の世界を見ることができます。
http://kotaku.com/studio-ghibli-color-designer-michiyo-yasuda-has-died-1787696219
保田さんについて書かれた「アニメーションの色職人」(徳間書店)を読むと、色彩設計という作業の目的が、実は質感の表現であったことが分かります。世界のさまざまな物が持つ質感を、画面を通していかに見る人に伝えるか、に取り組まれた保田さん。質感の理解を通して豊かな世界の根源に迫ろうと試みている研究者の仕事と、深いところでつながっていることを感じます。
(HK 2016-11-9)

網膜の桿体細胞が色覚に関係することを示す報告が出ています。

マウスではUVに感度の高い錐体と、緑光に感度の高い錐体の2種類と、桿体の3種類の光受容細胞が存在しますが、このうち桿体とUV錐体の相互作用によって反対色応答(波長によって極性が変化する応答)が生み出されているようです。著者らは同じメカニズムがヒトの薄明視で起きる色知覚の変化(プルキンエシフト)の仕組みにも関係することを考察しています。(HK 2016-5-23)

Joesch M and Meister M. A neuronal circuit for colour vision based on rod-cone opponency. Nature. 2016 Apr 14;532(7598):236-9. doi: 10.1038/nature17158. Epub 2016 Apr 6.

工芸作家と工学研究者の共同作業で新たな質感表現が生み出されています

Fraunhofer研究所

ドイツのダルムシュタットにあるFraunhofer研究所は3Dプリンティングに特化した研究所です。そこでは、3Dプリンタそのものの開発の他に、質感再現 (appearance reproduction) についても精力的に研究しています。現在の最大の関心事は表面下散乱に関連する複雑な見えの再現で、次世代あるいはその次の世代の3Dプリンタにこの研究成果が搭載される可能性があります。(SN)

去年視覚研究者を驚かせた青黒-白金ドレスの違うバージョンが登場しました。

これも照明の推定の個人差を表すのかも知れません。(HK)

オリジナルの青黒-白金ドレス問題についてはいくつか論文が出ています。例えば
Gegenfurtner KR, Bloj M, Toscani M. The many colours of 'the dress'.
Curr Biol. 2015 Jun 29;25(13):R543-4. doi: 10.1016/j.cub.2015.04.043. Epub 2015 May 14.
Lafer-Sousa R, Hermann KL, Conway BR. Striking individual differences in color perception uncovered by 'the dress' photograph.
Curr Biol. 2015 Jun 29;25(13):R545-6. doi: 10.1016/j.cub.2015.04.053. Epub 2015 May 14.
など。

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